令和3年度情報受発信・スキルアップ事業―まちづくり学習会―
2021年11月14日コロナのワクチン接種も参加者は全員2回目も終了し(加須市では92%接種終了)待ちに待った研修が行われました みどり市は加須市からそう遠くはありませんがバスの中もソーシャルディスタンスを心掛けてまいりました もちろん手指の消毒やマスクは必須です
今回は4か所の市民活動の現場をめぐります
目的:地域おこしの先進地の現場を見聞きし、 ヒントと力を得て明日からの自分たちの活動につなげる
第1訪問地 #蔵人新宇(Kurart ARAU)https://kurart-arau.jp/
※崩れかけた蔵をリノベーションし、懐かしい古生活食器店とcafeを開店
この蔵一つ一つに、建物一棟一棟に歴史があり、販売する生活食器に時代の香りとノスタルジーを感じさせます
当主の歴史のご説明も大変興味深く、何代にもわたり貴重な歴史的資産を永続的に守る覚悟と思いを感じました
私たちの町にも何気なく通り過ぎる建物に歴史があります。蔵も多く残っていますが、ただ「ある」だけです。蔵の中さえ見ることもないうちに朽ち果てるのが落ちです 世の中リノベーションが流行っていますが、手を着けるまでに行かないのが現実です。
思いを現実にしていくことで何かが動き出すのだということを… いや建物だけでなく「想い」も朽ちさせないために動かねばいけないことを思い知らされました
第二訪問地 みどり市観光ガイドの会https://www.midorishi-kankoguide.com/
※100名迄対応の観光ガイド、定期的に市内を案内する企画
観光ガイドさんのお話を伺いに行くまでのほんの数十メートルの移動の中でも市内観光をしていただきました
みどり市のエコな電動バス 無料で乗車可能みどり市観光周遊バスです とてもかわいいバスです 通りすがりにちらりと拝見した限りですが、運転手さんが少しガイドしているような雰囲気があります
余談―バスの右手に長蛇の列をなすうどん屋さん メチャメチャ口コミのいい有名店らしいですね いやー食べたかった 観光でもう一度来たいです
加須も「加須うどん」で口コミがものすごいって言う有名店ほしいですね
うどん屋さん以外なら長蛇の列のお店ありますよね
みどり市観光ガイドの会のご説明をいただきました
構成メンバーの主力は70代 それぞれの方が自身の人生のなかで培った得意分野から見るまちを案内されるのがとても面白いと思います 好きだからこそ深い見地が生まれる。それをうかがえる楽しみならば、1度ならず2度3度訪れて、違うガイドさんのお話も聞きたくなるわけです
ガイドさんやほかの市民団体さんの拠点にもなるリノベーションした古民家も素敵でした 拠点があるかないかで市民活動の躍進の仕方が違いますね
歩いた範囲はもっとずっと距離は短いですが、お話の内容はこの円の中、みどり市太古からの歴史、繁栄の歴史、足尾銅山の歴史にも及びました
第3訪問地 日本一しょうゆ(岡直三郎商店)http://www.nihonichi-shoyu.co.jp/
※老舗のしょうゆ工場、工場主のお話と工場見学
徹底した衛生管理の下見学に臨みました
実際は工場主さんのお話と言うより観光ガイドさんがその多くを語ってくださいました
ガイドさんの地域愛と見識に恐れ入るばかりです
みどり市の観光を受け入れる側の門戸の広さ、普段の勉強、そして何より地域愛がなせる業だと感じました
老舗のしょうゆ工場は初めて来ました 近代的な工場と違い、梁にも歴史を感じます
観光を意識した工場でしたので、おもてなし体制が出来ています
もちろんこのお店にも「美味しい」が隠れています ここのお店の名物は「醤油ソフト」だそうです残念ながら私たち(勝手に)B班は時間的に食べるチャンスがありませんでした
どんなに観光ガイドが案内したくとも、案内されては困るという場所も中にはあります。もちろんこのみどり市にもあるはずです。
ですが、観光の重要性を町の住民一人一人が理解できているからこそ 観光ガイドの会も「明るく、楽しく、元気で」11年続けられたのでしょう
ガイド案内数も平成30年で3万人を達成したそうです ガイドの企画は会員が行程を考えてハイキングや登山など累計144回の企画がなされたそうです
観光の町ではない町が、いざ観光となると大変なハードルがあるのはよくわかります
まちとして「観光の必要性」からきちんと考える体制も必要なのではないかと感じました
第4訪問地 富弘美術館https://www.city.midori.gunma.jp/tomihiro/
※東町出身の星野富弘氏の作品を公開 草花や風景や詩の世界から「生きる勇気」をいただけます
第1訪問地の蔵人新宇さんのご厚意で、館長さんに案内とお話をいただくことができました。
館長さんと星野富弘氏は小学生から高校生までの同級生だそうです。
個人的には予備知識があまりなかったのですが、恵まれた身体能力から一転 口だけで絵を描く文字を書くだけの生活へ… 想像がつかないほどの落胆と悲しみ、苦しみがあったに違いありません
だからこその感動を与えていただけるこの美術館の絵と並んで、ぜひ見てもらいたいとお話しいただいたものがありました。
それは来館者の感想のノート綴りでした。
膨大なノート綴りの量で、その冊数(失念しました)厚み6,7cmはある背表紙の綴りが円形ではありますが壁1.5m程でしょうか2段弱にわたり設置されてありました
誰でも開けて見られるものですが、開館以来の来館者が書き綴った心の叫び、思い、感動が詰まったノートの綴りがこの美術館のもう一つの宝だとお話しいただきました
人が人を感動させ、強い生き方、諦めない心がまた人を勇気づける まちは人が作るもの
本気で生きる人が人を呼び寄せ、この山中に美しい美術館を建設させたのです
この美しい東町の自然が育み、心を癒した星野富弘氏の足跡は叱咤激励となって街づくりの背中を押すものとしたいと思いました
まとめ
崩れかけた蔵なんかもうダメだ…と思えばそれまで
でも、いやこれを何とかしよう! なんとかしたなら役立たせよう!その一人の熱い思いの力がまちづくりのなのでしょう 美しい自然、山や湖、森などの観光資源があるからこそ観光地で
「何もない我がまちとは違う」と感じて、なにもしなければそれまで…なのですね
星野富弘美術館の館長のお話の中にワンフレーズ 「こんな何もない山の中に人が来てくれる…」という言葉がありました。
山の中の人は「山しかない」「何もない」と言います
平地しかない我が加須市から見たら「山もある」と思うわけです
人はないものを美しいと思い、当たり前にあるものは当たり前にしか目に映らないのです
星野富弘さんは失ってはじめて一つ一つ、目の前にある自然に開眼し
小さな世界に大きな発見をして、ほんの小さな発見を、より美しく描こうと…また 短い言葉に思いのたけを詰め込むことをされています。 目の前にあるものはすべて当たり前ではないことを私たちは知らなくてはいけませんね
自然ばかりではなく当たり前にその場所にあるもの 例えば蔵の中の古い生活食器 美術的価値があるものばかりではなくとも 昔の生活に思いを馳せ、その器の裏に漂う時間や背景を楽しむ
目に見えるだけではないものを発見し、より美しく、楽しく、人に感動を与えることで
人はその地に来るのだということを学ばせていただきました
しかし、歴史や文化や美しい事象の発見があっても、語り部たちの語る より深く、楽しいエピソードがあってこそ、感動が訪れる人の心に残るというもの。 我が町を愛する心が、思いが…たとえ道端の一つの石ころにまでもエピソードを持って語れる そんな語り部がいてこその「何もないまちの観光」があると強く感じた研修です 私たちから見ると沢山の自然の観光資源があるにもかかわらず、町の人が一生懸命に観光と取り組む理由を今一度考え、これからの加須を新たな目で見直して
私たちがこれから「誰に」「何ができるか」を踏まえ、細やかなものを見る目、見えない歴史や思いを感じる目で我が町をもう一度発見していくことで、別の我が町の価値が見えてくるのではないかと思った研修でした。
そして今回参加の市民団体の皆さんもそれぞれの思いで研修に臨まれ、自らの活動に生かせる尊い学びをされたと思います
思いの熱さを、深い思いを・・・星野富弘さんの詩のように
言葉に残し、伝え、活動に生かしていただきたいと思います
沢山の学びをさせていただきましたみどり市の 蔵人新宇の皆さん、 観光ガイドの会の皆さん、 岡直三郎商店の皆さん 富弘美術館の館長さんとスタッフの皆さん
本当にありがとうございました
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